現場ブログ

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解体が終了して、建物の傾きを調整していきます。95年も経っていると簡単には直すことはできません。古民家は差し鴨井といって30cm以上の梁が柱中心に四方に嵌めてあるので簡単にはいきません。それでも何とか水平、垂直を調整することができました。
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ここまで解体してみると、先人の人達知恵の凄さを感じます。床下の通気さえ良くしておけば木造住宅は耐久性が高いという事が証明されています。新しい家づくりの工法が良いとは言えません。今の建築方法で95年持つ建物があるでしょうか?石の上に建っているだけで95年も経っているのに柱の根元が2,3本ちょっと傷んでいるだけです。しかも土間がそのままの状態です。
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土台の上に根太+断熱材+赤松30mm無垢材を施工していきます。この土台より92mm上がった所がフローリングの仕上がり高さになります。 写真の手前が、浴室と洗面・脱衣スペースになり、その向こう側がキッチンスペースです。その向こう側が寝室で、その向こう側はウォークインクロゼットになり、その向こう側が外の広縁になり・・・・もう見えませんね! 暮らしの動線を考えた間取りになっています。
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2Fの東面になります。以前は子供部屋でした。今回も子供部屋になりますが階段が左側の隅にあった為、この部屋を通って、写真の奥に見える部屋に行くのにこの部屋を通って行くようになっていた為、部屋として使えず、通路になっていました。  階段を掛け直すことで3部屋がそれぞれ部屋となりました。階段を移設することで補強の梁が真ん中に必要となるので7寸(21cm)の大きさのものを入れました。 その奥に見えるのがSDパネル(3.4倍)です。1Fは木ぞ工事をしているので先に二階を入れて行きます。
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2Fの西面になります。和室の寝室8畳+押し入が×2でしたが6畳にして残りの2畳分を使って階段を取り付けます。旦那様の寝室でしたがお孫さんの部屋を造るためにご協力いただきました。今まで8畳にタンスなど置いてありましたが、押し入れをクローゼットにして収納スペースを充実! 6畳にタンスの無い部屋となりますので、タンスの置いてあった8畳と広さ的にはそんなに変わらないと思います。クローゼットを上手く使って整理・整頓されていれば違和感は感じないと思います。 真ん中に見えるのが耐震補強のSDパネルです。耐震等級2(1.25)以上の補強なのでまだ数カ所に入ります。
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床断熱工事に入ります。断熱材にもいろいろありますが50mm厚のミラネクストΛを使用します。横に通っている木材を「大引き」と言います。そして縦方向の木材を「根太」と言います。30cm間隔で取り付けて行きます。根太の太さは60mm×45mmです。断熱材が50mmですので50mmのピン金物を等間隔で断熱材が下に落ちないように取り付けてから断熱材を嵌めて行きます。この上に30mmの赤松無垢材を施工していきます。そのフローリング側に断熱材がピッタリくっ付いてないと断熱効果はありません。
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建築業界の50%はグラスウールと言う断熱材を使用していますが日本の高温、多湿な環境には良くありません。グラスウールは安価で、施工時は膨らんでいますが湿気や水を含むとちじんでしまい元の形に戻りません。スポンジのように乾燥すると元に戻れば良いのですが・・・・。断熱材は室内側にピタリくっ付いてないと効果がありません。最初は部屋が温かかったけど最近寒く感じると言うのはグラスウールのチジミが原因であることがあります。ひどくなると壁内がグラスウールのチジミで空気層ができて内部結露がおこり腐朽菌が発生して腐る場合もあります。やはり外壁側は風が通って、室内側には高質な断熱材がピッタリくっ付いていることがベストな環境です。
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それに比べてミラフォームΛ断熱材は断熱性能0.022w/m・k以下の高性能な断熱材です。水にも強く、年数がたってもほとんど変形しません。天井にも同じものを施工していきます。家の内側は魔法瓶のように断熱材を施工し、外側は風が通るように施工していきlます。そうすることで柱、梁などの構造部材は息ができ、湿気や雨の侵入があってもすぐに乾いた状態になります。
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天井、壁、床に断熱材が入ることで光熱費を抑える事にもつながります。
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築85年古民家再生、解体工事が始まりました。昔の家は田の字と言って和室が4つあって四方建具だけでまじ切られていますが、古民家となると6の字と言うのか、もう二間奥に続いています。中央には大黒柱、その奥に一回り小さな大黒柱があります。夫婦大黒柱と言うようです。角部屋の間仕切り建具を撤去して中央に集めてみるととても広い空間になりました。
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広縁になる下屋は天井がとても低くて居室としては使い勝手の良くない空間です。今回のリノベーションは広縁部分を撤去して外として仕上げます。ですので軒先の長い空間となり、デッキを作って夏には子供やお孫さんを呼んでバーベキューをしたいと思っています。
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建具を撤去するととても広い空間です。手で触っているのがサシカモイと言って幅が33センチもあります。部屋の四方にぐるっと回っています。大事な構造部材です。古民家はこれがあることで建具の高さはW1780ほどの建具しか入りません。現代の建具の高さは2m以上ありますので背の高い人には少し不便かもしれません。 完成すると見違えるほどの喜びがあると思います。
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東面の基礎工事です。お客様の希望で隣地との間をもっと広くしたいという事で減築となりました。左側にある既存の基礎を解体し、内側に30㎝移動して基礎を新しく作って構造躯体を移動させます。そしてSDパネルを施工していきます。
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型枠を組み立ててコンクリートを入れ間隔を取ってボルトを設置していきます。一週間ほどすれば完全に固まりますので型枠を外して土間を整地して完成です。先に新しくできた基礎に構造躯体を移動してから、既存の基礎を解体していきます。
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この写真は階段の基礎となります。2Fの既存の間取りは3部屋あったのですが、間取りの作り方が良くなく、一つの部屋に行くのに手前の部屋を通過しないと行けない間取りになっていました。部屋が3つあっても一つの部屋は通路となっていました。お客様の希望で部屋を通らなくても各部屋に行けるようにしたいという事で階段の位置を替え掛け直しました。かけ直すことで基礎が必要になり、耐震パネルも施工することになりました。2Fの間取り変更で家族それぞれの部屋を確保することができ快適な暮らしになると思います。